シアトル近辺の美味しいレストラン食べ歩き
by seafoodie
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シアトル在住のAlexです。美味しいものが大好きなので、レストラン訪問記をまとめてみました。

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Steirereck (スタイレレック)
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★★★★
オーストリア料理
Steirereck
Am Heumarkt 2A / im Stadtpark
Vienna, Austria

 中に入って名前を告げ、二階の席に案内される。一階は普通のレストランって感じの場所だったけど、二階は違ったテーマが設定してあるみたい。壁には舞台に幕がかかった絵が描いてあって、その前にはちょっとモダンなシャンデリア。どうやらこのフロア全体が劇場の中にあるような雰囲気を出そうとしているみたい。面白いよな、こういうの。やり方によってはダサくもなっちゃう演出なんだけど、ここでは全てが洗練されていて、“ちょっと変わったダイニングフロア”のスペースをちゃんと作り出していた。

 席に着くとすぐに、サーバーがシャンペンのカートを運んできた。色々とあったけど、やっぱりオーストリアのスパークリングワインを選んでみる。すっきりとした切れ味でとてもいい感じ。やっぱり食事の前にシャンペンかスパークリングワインっていいよな。ホテルから市立公園を抜けて歩いてきたので、この一杯が汗を乾かしてくれる感じ。

 メニューも何も来る前に、いきなりアミューズが運ばれてきた。”Bloody Mary”と紹介されたこのアミューズは本当にシンプルなもの。小さなトマトの皮を剥いて、それにセロリの糸を巻きつけてある感じ。食べてみると、まさにトマト+セロリそのまま。ホースラディッシュやソースの演出がないせいかBloody Maryの味にはほど遠い感じだけど、何もいじくらないそのままの味は、味覚をリセットしてくれた感じだった。

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“Bloody Mary”

 続いてはアミューズの二弾目。演出がとても面白い。妙な台に乗っているスプーンの上にはアボガドにブラックオリーブのみじん切り。手前は左から、スイカ+パプリカ、セロリ+ポップコーン、ウサギ肉。前のアミューズと同じく、いじくりすぎることなく素材の味の単純な足し算で、これからくる大晩餐のために舌を準備してくれているみたいだ。アボガドとブラックオリーブは本当にそのままの味だけど、ブラックオリーブが細かすぎてなんとなくドライになっちゃってる感じがあったな。もう少し大きかったらよかったんだけど。でも味的にはとてもグー。今度いつかパーティーで使ってみたい味だった。スイカ+パプリカはあんまり感動しなかったな。確かに二つ別々の味はあるんだけど、お互いに引き立ててない感じ。「パプリカじゃなければならない」意味が見えなかった。セロリ+ポップコーンは面白かったけど、これってセロリのどこなんだろう?? 普通のセロリじゃなくて、なんかの実のような感じ。これに小さな小さなポップコーンのようなものがついてる。面白かったけど、これも感動の味じゃない。最後のウサギ肉はジューシーで柔らかくて、とても美味しかった。

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アミューズ第二弾

 やっとのことでメニューが運ばれてきた。アミューズが二つも続いたんで、ここはもしかして何も選ぶことのできないレストランなのか?!とか思っちゃってたよ。メニューの左側はコースメニュー。5コースか6コースで、その中でも色々なものを選ぶことができる。右側はアラカルト。やっぱりここは無難に6コースメニューで行くことにしましょうか。6コースメニューで€95。これに€55を足すと、各コースにマッチしたワインをつけることができる。一つのワインでずっと行くよりも、数種類のワインで各コースを楽しむ方がずっと好きなので、そうすることにする。

 アミューズ第三弾。アミューズが二つ出されたところは以前にもあったけど、三つっていうのは初めてじゃないかな。大きなレンゲのような皿に入ってきたのは、オレンジ色のパンプキンから作られたシートのような上に、聞き取れなかったけど何かのマッシュルーム、それに子牛の頭の揚げ物のようなものが乗っている。子牛の頭といっても別に脳ではなく、どうやら顔とか頬のあたりの肉らしい。このマッシュルームが美味しいんだ! 軽い味付けに抑えてあるみたいで、マッシュルームの独特の風味が口いっぱいに広がる。子牛の頭の方は、ちょっと衣をつけて揚げてあるみたい。小さなコロッケみたいな感じかな。初めてちょっと重たい料理だけど、アミューズのコースの中で軽いものから重たいものに移行していくこの流れ、いいと思った。以前アミューズでいきなり最初から揚げ物を出された場所があったけど、こってりしすぎててなんだかなぁって感じだったから、だんだんと味覚と胃を慣らしていくっていうアイディア、さすがです。

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アミューズ第三弾

 さて、メニューの中の最初のコースは、ロブスター。ちょっとだけ火を通したロブスターに、小さなズッキーニとズッキーニの花、それに僕は初めてだったんだけど、ラヴィッジ(lovage)というハーブも使ってあるらしい。これらを縦に敷き詰めた上に、薄く薄く切ったロブスターの身を乗せてある。この演出からして変わってて面白い。一口食べてみると、ロブスターの香ばしい香りが口の中一杯に広がる。半生のような状態なので、中はとてもジューシー。ズッキーニの身も花も、ロブスターの甘さと香ばしさを引き立てていて、かなり感動の味。のっけからやってくれるぜ。一緒に来たワインは2004 Moscatel seco, Malaga, Jorge Ordonez & Alois Kracher。爽やかでフルーティーなワインで、ミントのような味が奥底にあって、とてもナイス。

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Shortly grilled Bretonian lobster with young courgettes & lovage

 次のコースは“トマトのモザイク”。4種類のトマトを使ったサラダで、それに山羊のクリームチーズとグースベリーが乗っかってる。甘くもないのになんで甘さがあるような気がするんだろうと思ったら、トマトの“フィレ”をバニラでマリネートしてるらしい。このお陰でトマトの甘味成分が強調されて、酸味ととてもよくマッチしているみたい。本当に爽やかで、種類ごとに違うトマトの味を存分に味わえるコースだった。ワインは2004 Grüner Veltliner “Obere Steigen” Huber, Traisental。舌にピリピリする感じがあって、バターのような味わい。僕はバター的なワインは大好きなんだけど、このワインはなんとなく金属的な印象も受けてしまう。

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Mosaik of tomatoes

 お次はチョウザメ。これにシャントレルマッシュルームと大麦、さっき出てきた子牛の頭の肉、それにハイビスカスのソースがかかってる。ラベンダー色のソースは本当にキレイ。チョウザメは身がしまってて、でもジューシー。これとシャントレルマッシュルームと大麦のコンビネーションは最高。子牛の頭の肉が加わっているせいか、全体的にとてもドッシリとした味だけど、それをハイビスカスのソースがちょっとだけ酸味を与えて軽くしているみたいだ。このソース、白ワインにハイビスカスの花、バチーダ・デ・ココというリキュール、それにホワイトチョコレートを加えて作るみたい。言われてみると、なるほど、隠し味のように奥の奥にホワイトチョコレートの味を感じるみたいだ。こういうコンビネーション、本当にどうやって考え出すんだろうなぁ。ワインは2004 Sauvignon Blanc “Graf” Sepp Muster, Leutschach。これはSauvignon Blancの典型的な味で、今しがた刈った草のような香りにバターのような味わい。とてもEarthyなワインだった。

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Roasted sturgeon with chanterelles, barleys, calf’s head & hibiscus

 肉のコースは子山羊。この子山羊はPoguschから来たもので、どうやらここにSteirereckの本店があるらしい。真ん中にあるのはポテトとアーティチョークで作った“ケーキ”、手前は子山羊のカトレット。子山羊って、僕は食べるの初めてじゃないかな。ほとんど子羊のような感じで、ソースの力もあってか、とてもどっしりと感じる。ポテトとアーティチョークの“ケーキ”も、ソースにヒタヒタになってて、食べるとまるでマッシュドポテトのような素晴らしい付け合わせ。この料理はもちろん子山羊が主役だけど、その脇を固める役者としてアーティチョークとMountain Pine(松の一種だと思うけど)が使われているらしい。このコンビネーションもまた面白いよなぁ。Mountain Pineの味はどんなものなんだろう。あんまり感じなかったけど、隠し味なのかな。ワインは2003 Schönberger rot, Blaufänkisch aus Mörbisch。まるでSyrahみたいな、コショウのようなスパイシー感のある赤で、この味の濃い子山羊にはピッタリ。

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Kid goat from the Pogusch with artichokes & mountain pine

 メインの後はチーズのコース。シャンペンカートよりも大きいチーズカートを運んできて、色々なチーズを見せてくれる。クリーミーなチーズと、臭めなチーズが好みだと伝えて、いくつか選んでもらうことにした。どれも本当に唸ってしまうくらい美味しい。ワインは2002 Aalto, Ribera del Duero。バターとコショウの香りのする一杯で、確かに性格の強いチーズたちにはよく合う。

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Cheese course

 さて、いよいよデザート。“ラズベリーとバニラ”と名づけられたこの一品は、その二つの素材を使ったデザートが三品並んでいる。一番左は、バニラクリームのスライスに手前にある線はラズベリーとバルサミコ酢を混ぜたもの。真ん中は紙のように薄いTuille(「瓦」という意味)と呼ばれる洋風せんべいとでも言うべきものの上に、ラズベリーバニラのアイスが乗ってる。右側は、暖かいラズベリーのジャムのようなものの上に、バニラとバーボンとクリームで作った泡が乗ってて、それにクッキーが差し込んである。見るだけで楽しくなっちゃうようなデザート。僕はアイスクリームが好きだから、特に真ん中のヤツがよかったなー。本当に爽やかな味わいで、本当に豪華なディナーを締めくくるのにピッタリのデザート達だった。ワインは2004 Muscato, Günter Triebaumer。ムスカトの高貴な甘味は、デザートワインとしてこれ以上ないくらい。もちろんこの後にはちょっとしたプチ・フールも出てきた。

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Raspberry & Vanilla

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食後のチョコレート

 料理とは全然関係ないけど、このレストランで面白かったのが、トイレ。ここも客の度肝を抜いてやろうという気が満ちていて、男性用便器なんかはこんな感じ(トイレで写真なんか撮ってんじゃねーよ)で、手を洗う場所もすごく変わってる。上のオレンジ色の帽子をかぶったものは石鹸のディスペンサー。黄色い器に手を入れると水が自動的に飛び出してきて、タオルで手を拭いた後は、下の穴にポイ。もう本当に最高で、アミューズメントパークに来てるような気になっちゃったよ。

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本当にココでしていいの?って感じ

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手洗い場

 本当にウィーン一と呼ばれるのは頷ける場所だった。料理、サービス、雰囲気、どれもごまかしをすることなく、全力投球してくれたような感じだった。今回の二週間の旅を終えるのに、これ以上ないくらいの場所。あー、本当に生きててよかった。神様、この幸せをありがとう。ウィーンよ、歓待してくれてありがとう。ホテルに歩いて帰る間も、夢見心地な感じだった。
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by seafoodie | 2006-08-28 19:00 | ヨーロッパ
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