シアトル近辺の美味しいレストラン食べ歩き
by seafoodie
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シアトル在住のAlexです。美味しいものが大好きなので、レストラン訪問記をまとめてみました。

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Eleven Madison Park (イレブン・マディソン・パーク)
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★★★★
アメリカ/フランス料理
Eleven Madison Park
11 Madison Ave
New York, NY 10010
212-889-0905

Eleven Madison Parkは以前ニューヨークに行ったときには聞いたことのない名前だったんだけど、いきなり僕のレーダーに現れた。ミシュラン三ツ星、Gayotで18点、World’s Top 50 Restaurantsでは、なんとNo.5に位置するレストランらしい。以前はGramercy Tavernと同じオーナーが経営していたらしいんだけど、いつからか独立したらしい。ネットでもかなりの評判だったので、今回のニューヨーク旅行の目玉的な存在だった。

ここの店で出すものは、一人$225のコースメニューのみ。しかも選ぶ余地がほとんどない。嫌いな食材やアレルギーなどは避けてくれるけど、他はすべてシェフ任せということになる。飲み物別で$225というのは、今までで一番高いコースメニューの一つだけど、人生に一度くらいはいいんじゃないかな(笑)。

店内は天井が高く、白と茶系統をベースにしたインテリアで、素晴らしく高級感があるのに変に肩を張らずに済む安心感もある。ゴテゴテと飾り付けずにシンプルかつエレガントに、というモットーが感じられた。スタッフの対応も、このクラスのレストランにしては過剰なくらいフレンドリーで、嬉しくなってしまう。

席に着くと、テーブルの上には白い封筒と小さなナイフが置いてあるのに気づいた。にこやかなスタッフが、「まず最初の選択をしていただきます。その封筒をナイフで開けて、中のカードの4つの選択肢の中から、一番自分に訴えかけてくるものを切り取ってください」と説明する。カードには、メープル、クランベリー、フェンネル、アップルの4種類の型があり、指で押して切り取ることができる。これが何に使われるのか全く謎だけど、4種類のうち3つは甘い感じがするので、僕はフェンネルを選んだ。さて、これが何に使われるのか。食べる前からドキドキしてしまう。

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この選択は一体どう使われるんだろう?

その後、糸で結ばれた白い箱が出てきた。中を見ると、白と黒のチョコレートを乗せたようなクッキーが入っている。最初からクッキー??と思っていると、スタッフが「甘くないですよ」と教えてくれた。食べてみると、なるほど本当に甘くない! チョコレートのように見える部分は実は違っていて、口の中にはチェダーチーズのような風味がフワッと広がる。これはグジェとかチーズクッキーみたいな美味しさだ。最初から肩すかしを食らわされた感じで、笑ってしまった。

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Cheddar: Savory Black and White Cookie with Apple

次は牡蠣にビシソワーズとキャビアがついたもの。シアトルの美味しい牡蠣も自慢だけど、この牡蠣もまたプリプリしていて、味が濃くてビックリ。ビシソワーズがまるで絹のような優しい味わいで牡蠣の味を包み込んで、もう最高。あまり牡蠣はいじりすぎない方が好きだけど、この一品には脱帽だった。

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Oyster: Vichyssoise and Caviar

牡蠣の次は帆立。リンゴ、松、シログワイに漬け置きしてあったものらしい。上にはリンゴの「雪」がかかっている。レストラン業界では一時期「泡」が大流行りだったけど、「雪」に移行したみたいだ。帆立のしっかりした味わいはそのままで、それに爽やかなリンゴの風味がたなびく感じ。シログワイとかって聞いたこともなかったんだけど、別に変わった風味は感じられなかった。帆立の甘さを引き出す役目だったのかな。

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Scallop: Marinated with Apple, Pine, and Water Chestnut (apple snow)

次は丸い板の上に、まるで白いロールケーキのようなものが出てきた。これは骨で、骨髄の部分に食べるところが詰まっているらしい。キャビア用の備え付けのスプーンで真ん中をほじくると、白いクリームのようなものの下にはビーフのタルタルとキャビアが詰まっていた。生の牛肉の美味しさに、キャビアの塩味、それに燻煙された骨髄の何ともいえない旨みが重なって、ナニコレー!と踊り出したくなるような美味しさ。シンプルながらに感動させてくれた。

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Beef: Tartare with Caviar and Smoked Bone Marrow

次は木の板の上に、パンが一枚。それにはマスタードがポツポツと置いてあって、周りにはピクルスや野菜がある。それとは別に、固形燃料で温められている銀の容器には、ビーフのパストラミ。「ニューヨークといったらサンドイッチが有名です。我々のバージョンのサンドイッチをお楽しみください」とのこと。「サンドイッチといえばソーダ」らしいので、小さ目の瓶にコーラのような色のソーダも入ってきた。パンの上に肉を乗せて、好みでピクルスや野菜も加えて、ナイフとフォークで食べる。あー、なるほど。これはデリの味だ!パストラミとライ麦パンにマスタードの味が本当に良く合う。このピクルスも見事。少し甘めで、酸味がきつすぎることもなく、とても美味しかった。ソーダはコーラっぽいんだけど、もっと軽い感じ。それにフェンネルが入っているらしい。最初のカードでの選択が、ここに使われたのかな。味も最高だったけど、こんなプレゼンテーションは他のレストランでは体験したことがない。

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Beef: Pastrami with Pickles, Rye, Mustard, and Fennel

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こんな風にオープンサンドイッチにして食べる

パンは焼きたてのクロワッサン。無塩バターとアヒルの脂から作ったバターがついてきた。無塩バターには、一緒に来た海塩をつけて食べると最高。アヒルのバターはどっしりとしているけど、少しも臭くない。アヒルのいい風味だけが感じられた。

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フレッシュなクロワッサン、無塩バターにアヒルの脂のバター

さて、次はフォアグラのコース。ここでまた選択の余地があった。二種類の料理法があって、焼かないものと焼いたものがあるという。僕は焼かないもの、同行人は焼いたものを頼んだ。

僕の焼かない方は、サンチョークと一緒にキュア(保存処理)したものをスライスして、クルッと巻いたもの。まるでスライスチーズのような見目なんだけど、口に入れるとそれがまるでバターのように溶けて、フォアグラの深い旨みが口の中に溢れ出す。うっわー、美味しいぞー! 臭みは全くなし。フォアグラはそれほどファンではない僕も、これは心の底から美味しいと感じられた。サンチョークを揚げたものも、口の中をサッパリさせてくれてとてもよかった。

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Foie Gras: Cured with Sunchokes and Fermented Mustard Greens

焼いたものは、サンチョークとヘーゼルナッツが使ってある。表面はカリッと香ばしい匂いを放っていて、中はクリームのよう。これは結構色々なレストランで食べられる味だけど、やっぱりクオリティは最高だった。臭みが全然ないってのは見事だと思う。

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Foie Gras: Seared with Sunchokes, Hazelnuts, and Solera Vinegar

いきなりテーブルに大きな古い本が置かれてビックリした。“The Cook Book of the Waldorf”と書いてある。それと同時に運ばれてきたカートにはサラダの材料が乗っていて、どうやらウォルドルフのサラダを目の前で作ってくれるらしい。リンゴを機械でシャリシャリと千切りにした後、特製マヨネーズと混ぜ(同行人はマヨネーズがだめなので、ヨーグルトベースのソース)、クランベリーやクルミをトッピングして、最後にブルーチーズの薄切りを乗せて出来上がり。リンゴの爽やかさとクルミの甘さが最高に合う! ブルーチーズのアクセントも素晴らしい。

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目の前でサラダを作ってくれる

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Apple: Waldorf Salad with Celery, Cranberries, and Walnuts

サラダを食べ終わると、サーバーが皿を持ち上げる。と、そこにはグラノーラが入ったボールがあるじゃないですか! サラダが来た時、なんかデカい皿だなと思ったけど、こういう事だったとは。スプーンの上には液体ヨーグルトが乗っていて、それでグラノーラを食べるととても美味しかった。こういう演出がスゴすぎるんですけど!

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皿の下にはグラノーラが!

お次はシーフードのコースで、ロブスター、マテ貝、ウニが乗ってきた。ロブスターは臭みが一切なく身が甘くて最高だし、ウニには微かに甘いゼリーの薄切りが乗せてあって面白かったし、マテ貝も旨みでいっぱいで、それぞれに最高に美味しかった。不満な点は何ひとつ見つからなかった。

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Lobster: Poached with Razor Clam, Sea Urchin, and Kale

次の皿が出てきたとき、材料の説明は前と全く同じ。え?! 材料は一緒で別バージョン! 今度はロブスターは殻から取り出してあって、マテ貝も一緒に、ウニで作った泡がかけてある。僕はウニはそのまま食べるよりも、こんな風にソースっぽく使ったのが大好き。香ばしいような旨みでロブスターとマテ貝の身を包み込んで、一つ前の料理とは似ても似つかない味に変身していた。このレストラン、どこまでビックリさせてくれるんだよう!

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Lobster: Poached with Razor Clam, Sea Urchin, and Kale (別バージョン)

次はセロリの根に黒トリュフのソースをかけたもの。大根のような、でもそれよりももっときめ細かな感じで、滋味溢れる味にトリュフの香りがミックスされて、恍惚となってしまう。

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Celery Root: Braised with Black Truffle

次はいよいよ肉のコースらしい。サーバーが丸焼きのアヒルを持ってきた。「これからこのアヒルをお楽しみいただきます」と言って、その丸焼きは下げてしまった。最初に来たのは、アヒルのスープの容器の上に、アヒルのソーセージとグリュイエールチーズが乗ったもの。スープは、よく中華であるようなアヒルのスープとは違って、あの重い臭みが全くない。どこまでも軽く、アヒルの旨みを凝縮した味が全ての味蕾を刺激する。上のソーセージとチーズも、ほんの一口二口。スープよりは少しだけ重いアヒルの味が感じられて、これから運ばれてくるアヒル肉の期待が大きくなっていく。

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丸焼きアヒル!

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Duck: Broth with Sausage and Gruyêre

アヒル肉の本番は、まるでチーズのように三角形に切られて出てきた。パリパリの皮の下はしっとりとした脂、その下はジューシーな肉。今までに味わったアヒル肉の中で、一番上品に感じた。ラベンダーと一緒にローストしてあるらしいけど、香りはほんの僅か。でもこういうところでアヒル独特の臭みを除去しているんだろう。

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Duck: Roasted with Lavender, Honey, and Rutabaga

肉料理が終わって、かなりお腹はいっぱい。「ピクニックはいかがですか?」と、テーブルにピクニックバスケットが置かれた。バスケットの中にはプレッツェル、ドライフルーツ、オニオンペースト、それにグリーンスワードチーズとビール! 中の皿は陶器なんだけど、まるで紙の皿のように曲がったりしてる。あーもう、この店はどこまでサプライズさせてくれるんだろう! グリーンスワードチーズは、まるでリバロのような重さがあるんだけど、かなりクリーミーで、香ばしいプレッツェルととても良く合う。それにまたこのプレッツェルにビールがよく合うんだ! 軽いビールは、肉で重くなってしまった口をリセットしてくれるみたいで、最高だった。でもあまりにもお腹がいっぱいだったので、ドライフルーツもオニオンペーストも一口ずつくらいしか食べられなかったのが残念だったな。

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テーブルの上にいきなりピクニックセットが置かれた

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Greensward: Pretzel, Onion, and Dried Fruit (ピクニック)

次はまたこれでもかというような演出。ケーキをテーブルに持ってきて、鍋の中のラムに火をつけて、スプーンでケーキの上にかけて外側を焼いてくれる。これはベイクド・アラスカと言われるケーキで、以前アラスカクルーズに行ったときに同じように作ってくれたんだけど、やっぱり目の前で青紫色の炎がケーキを包み込むのを見るってのは、最高に迫力があった。これはこのままは出さずに、後で切って持ってきてくれるらしい。

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ベイクド・アラスカを目の前で作ってくれる

最初のデザートはスイートポテトのカードに、エスプレッソのメレンゲとオレンジシャーベット。それぞれに違う方向の美味しさで、口の中がサッパリする感じだった。特にエスプレッソのメレンゲはフワフワで、こんなに軽いメレンゲは初めてのような気がした。

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Sweet Potato: Curd with Espresso Meringue and Orange Sorbet

デザート第二弾は、さきほどのベイクド・アラスカ。ほんの一口だったけど、お腹がいっぱいだったのでこれは嬉しかった。ラムの美味しさをたっぷりと吸ったクリームは、焼けたところからキャラメルのような香りを放っている。皿に塗られたソースはフェンネル。最初のカードでの選択は、ここにも使われたようだ。

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Vanilla: Baked Alaska with Rum, Raisin, and Fennel

最後はチョコレートを纏ったプレッツェルにアップルブランデー、それと最初のクッキーの箱と全く同じものが出てきた。でも今度のクッキーは見目は同じでも、シナモンの香りがして甘くて美味しい。アップルブランデーは、まるでグラッパのような感じで、味覚を綺麗にすると同時に消化も助けてくれるよう。チョコレートのプレッツェルも美味しかった!

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Pretzel: Chocolate Covered with Sea Salt (Apple Brandy)
Chocolate: Sweet Black and White Cookie with Cinnamon

食事が全て終わった後は、グラノーラの瓶詰がお土産として出てきた。

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お土産にグラノーラのシリアル

いやはや、こんなにもサプライズを体験するとは思いもよらなかった。料理のクオリティが最高なのはもちろん、「どうしたら客を喜ばせることができるか」というテーマに、全ての面から挑戦しているような姿勢に感服した。今までの人生の中で経験した素晴らしいレストラン体験の中で、間違いなくベスト3に入る場所だ。一人$225というのはかなり敷居が高いけど、一生に一度はEleven Madison Parkをぜひ体験していただきたい。これはもう、ただの食事じゃない。エンターテイメントだ。
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by seafoodie | 2014-01-24 19:00 | 北アメリカ(シアトル以外)
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