シアトル近辺の美味しいレストラン食べ歩き
by seafoodie
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シアトル在住のAlexです。美味しいものが大好きなので、レストラン訪問記をまとめてみました。

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Tetsuya's
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★★★★
Tetsuya's
529 Kent Street
Sydney, NSW, 2000, Australia
02-9267-2900

 オーストラリア1のレストランとして有名なTetsuya's。日本人シェフがオーストラリア1と言われるまでに作り上げたレストランの料理。ここに来ることはオーストラリアへの旅行が決まった時点からの夢だった。予約受付けができる限界、6週間前にアメリカから電話をかけて予約を入れた。シアトルの Herbfarmのように、とても予約が難しい場所らしいんだけど、6週間も前ということだけあってか、すんなりと予約を入れることできてホッとした。

 ここの料理はHerbfarmと同じように、自分で選ぶことのできる選択肢はほとんどない。ワインリストからワインを選ぶことができるくらい。それと食事が始まる前に、どんな料理が苦手かというのを告げておくと、それを避けるように料理してくれる。例えば一緒に行った友達のFritzは貝柱が苦手、Bobは生のシーフードがダメということを言っておいたら、ちゃんと彼らだけそれを避けるように他のもので置き換えられて出てきたりしてた。ここらへん、さすが。

 話は前後しちゃったけど、ここのレストランは歴史的に意味のあるGovernor's Houseという家の裏にある。大きな看板も何も出ていないので、場所を知らなかったら絶対にレストランだとはわからないようなところ。中に入ると、京都の高級旅館で感じたような、あの静かで洗練された高級感に身を包まれる。

 まず最初に軽い白ワインをということで、2000 Wellington (North Tasmania)を頼んで料理が運ばれてくるのを待つ。最初のコースは2つの小さなグラスに入った「サンドイッチ」と「サラダ」。「サンドイッチ」の方は、一番下に白いネットリしたソースがあって、その上にそぼろ状になった卵、その上にキャビアが乗ってる。「サラダ」の方はビートルートと、赤いオレンジ。ウェイターから「よくかき混ぜてから召し上がってください」と言われる。あまりにもキレイだったのでかき混ぜたくなかったんだけど、グチャグチャにしてから口に入れてみると…。なるほど「サンドイッチ」と「サラダ」と言われているのがよくわかる。「サンドイッチ」の方のこのねっとりした白いソースは何なんだろうなぁ? とにかくそれがキャビアと卵ととても良く合って、やさしいサンドイッチ風の味を作り出している。キャビアに卵を混ぜたり玉ねぎの細かく切ったのを混ぜることはあるけど、それがこんな風な味にもなれるなんて思ってもみなかった。もう一つの「サラダ」の方は甘味と酸味が一緒になって、確かにフルーツサラダ風の味。シンプルな足し算で、どれだけの味を作り出せるかってのを試してるみたいなアピタイザーに興奮してしまった。

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Caviar & Snow Egg Sandwich
Beetroot & Blood Orange Salad

 次は生牡蠣。これはコースメニューにはなかったんだけど、ウェイターのオススメで追加してもらったもの。僕って実は生牡蠣は大好物って感じじゃない。店によって当たり外れがすごく激しいから。でもここのは今まで食べた牡蠣の中で一番美味しかった! とにかくこのソースがスゴイ。何なんだろう、コンソメ? 何かの出汁? それにアサツキを細かく切ったものと、あれはごま油だったのかな? この全てが牡蠣の味と喧嘩せずに、口の中で踊ってる。こんな牡蠣だったら20個は食べられそうな感じだった。あー、この牡蠣にかかってたかけ汁をどうやって作るのかを聞いておくべきだった~!

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生牡蠣

 次に出てきたのはアピタイザーの盛り合わせ。スパイスを加えたトマトのガズパッチョ、アスパラガスとマロンという蟹のサラダ、鹿肉のたたき、キングフィッシュのフィレ、ツナのタルタル。どれも目が覚めるような素晴らしさ。特に鹿肉のたたきは、今回のディナーの中で僕にとって一番印象に残った味だった。鹿肉とはいえ全然獣臭さがなく、それにローズマリーのいい香りとハチミツの微かな甘さが加わって、まさに味と香りのオーケストラ! マロンっていわれる蟹の身も美味しかったし、もちろんツナのタルタルも素晴らしかったし、キングフィッシュにオレンジベースのソースがかかったヤツも最高だった。スパイスを加えたトマトのガズパッチョはとても冷たくてすっきりと美味しくて、このコースを締めくくるのにピッタリだった。んー、どうして鹿肉にローズマリーとハチミツとかっていう組み合わせを思いつくかなぁ? シェフも色々と試行錯誤を繰り返したに違いない。

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Gazpacho with Spiced Tomato Sorbet
West Australian Marron Salad with Asparagus
Tataki of Venison with Rosemary & Honey
Marinated Fillet of Kingfish with Orange & Soy Jelly
Tartare of Tuna with Goat Curd & Wasabi

 次のコースが来る前に、2001 Yalumba Eden Valley Viognierを頼む。Viognierは今回の旅行で僕のお気に入りになったワイン。シャルドネっぽい力強さに、リースリングのようなフルーティーさがちょっと加わった感じ。このYalumba Eden Valley Viognierは今回の旅行の他のレストランでも飲んだんだけど、舌にピリッとくる発泡性っぽい感覚から、どっしりしたオークの香りのする味、それでいて鼻に抜ける香りはとてもフルーティーと、僕の好きな性格を全部集めたみたいだった。

 このワインと一緒に食べたのが、ここのシェフが有名になった料理。オーシャントラウト。低温で長時間調理してあるらしく、中は生のようにジューシー。味付けはこの上に乗ってる昆布のみじん切りから来るものが大きいみたい。とにかく口の中に入れるとトロッととろけるような身、それに昆布の佃煮っぽい味が加わって、もう気分は日本にワープバックしてしまった感じ。こんなに日本料理っぽいんだけど、日本料理とは呼べない要素もたくさん含んでいて、どこの料理といったらいいのかわからない。でもこれは確かに、シェフが有名になったキッカケの料理だけあって、素晴らしい一品だった。この組み合わせ、本当にどうやって見つけるんだろうなぁ。

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Confit of Petuna Tasmanian Ocean Trout Loin with Kombu, Celery & Daikon

 お次はロブスターのラビオリ。このコースは確かに美味しかったんだけど、前のコースで体験した素晴らしさがあまりにもスゴすぎて、この料理がちょっと平凡に感じてしまった。んー、でもこの料理が最初に出てきてもあんまり感動しなかったかも。パスタとロブスターはなんとなく同じような舌触りだし、どちらもあんまりでしゃばった味じゃないから、それにかけてあるソースが決め手なんだけど、それがちょっとさっぱりしすぎてて印象に残らなかった感じかな。ここでこってりとしたイタリア風のソースっぽいものが出てきた方がよかったかもしれない。美味しかったけど、今回のコースの中で唯一気になった点だった。そうそう、この写真の左上にあるヤツ。これはパンにつけるバターなんだけど、なんとトリュフが混ざってる。素晴らしい味と香りにみんな恍惚となっちゃって、このバターをおかわりしなきゃならないほどだった(笑)。あー、あんなバターどこかで手に入らないかな。

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Lobster Ravioli with Shellfish Vinaigrette

 魚コースの最後は貝柱のカルパッチオ。普通カルパッチオっていったら、肉の極薄切りなんだけど、これは貝柱の薄切り。それにフォアグラとライムがかかってる。これもあまり印象に残ってないな。確かに美味しかったんだけど、なんとなく今まで出てきた驚きからしてみると「普通」な気がして。でもこれだけ食べると飛び上がるくらい素晴らしいものなのかもしれないけどね。僕は個人的に貝柱は生で食べるより、火を通した方が好きだからかもしれないな。

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Carpaccio of Scallop with Foie Gras & Lime

 肉料理のスタートと一緒に頼んだのが2000 Smithbrook The Yilgarn Merlot/Cabernet。メルローとカベルネの組み合わせは僕が一番大好きな赤の組み合わせ。カベルネの重さにメルローのフルーティーさを加えた感じでとても美味しかった。

 肉料理の最初は子牛肉。それにヒジキとワサビのバターがかかってる。ソースもヒジキから作ったものらしい。これには感動。ワサビのいい香りに子牛肉のデリケートな味。これにヒジキの日本的な味が加わると、本当に日本料理に限りなく近い感じになるから不思議なんだよな。子牛肉にヒジキを使おうなんて、一体どうやって決めたんだろう? サイコロかなんかでランダムに決めたに違いない(笑)。でもホントにまさに「どうして?」の世界。ワサビバターか…今度何かに使ってみたいな。あまり料理するわけでもないのにこんなことを感じてしまう。

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Seared Fillet of Veal with Hijiki Jus and Wasabi Butter

 肉料理2番目はハトの胸肉。胸肉といっても普通のチキンのように白いわけではなく、これは完全な赤味の肉。これがソバのリゾットの上に乗せてある。ソバのリゾット…? ソバガキですか? ハトは素晴らしい味を持ってる。軽すぎも重すぎもしない、ちょうどいい赤味肉の味。全然ドライじゃない肉を噛み締めると、肉汁がほとばしり出てきて、ああもう死んでもいい状態。洋風とも和風ともつかないようなこの味が、ここのシェフの一番作り出したいと思っている味のようだ。

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Roasted Breast of Squab with Chestnut Mushroom & Buckwheat Risotto

 メインディッシュが終わった後は、デザートの群れにとりかかる。ここの店では、本場のフランス料理の店と同じように、デザートが3品も4品も出てくるみたい。これと一緒に頼んだのは、2000 Muscat de Beanmes de Venise, Domaine de Durbarz, Rhone Valley, France。甘いマスカットの香りのするワインで、デザートにピッタリ。それと一緒に出てきたのがチーズとフルーツの盛り合わせ。チーズと甘いワインを一緒に食べるって、本当に好きなんだよなぁ。それにこの皿に乗ってるグレープが美味しかった!

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Selection of Cheese & Fruit

 デザート2品目はイチジクに「ソフトクリーム・アイスクリーム」が添えられたもの。このアイスクリーム、普通のものと思いきや、ちょっと酸味のあるアイスクリームなんだよね。サワークリームを使ってるみたいだ。確かにイチジクの甘味とアイスクリームの酸味がいい対比をなしてたけど、個人的には普通のバニラアイスクリームの方が美味しいんじゃないかなぁ。でもイチジクって、日本料理では素晴らしいデザートだよね。

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Figs with Soft Cream Ice Cream

 お次のデザートはヘーゼルナッツのスープ。これは一口食べてぶっ飛んだ。すごく美味しいお菓子を冷やして液体にしたらこうなったって感じ。とにかく全ての快感な味が口の中で踊りまくってる。元からスープっていうのはシェフの腕を見るとてもいい品だと思ってたんだけど、こんな風にデザートをスープとして出されちゃうと、返す言葉もございません状態で、思わず何も言わずに全て吸い込むように食べてしまった。あー、こんな料理が作れるってすごすぎるぞー!

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Hazelnut Soup with Chocolate & Hazelnut Sorbet

 素晴らしいスープに感動した後はモカの「浮き島」。モカのムース島が、レモンの香りのするソースの海の中にまるで浮かんでいるような感じ。フルフルと震えるムースの中は空気が一杯入ってて、とても軽く作られてる。レモンの香りのソースがとても合うんだ、これが。デザートだとはいえとても重いものが出てくるフランス料理と違って、ここのデザート群はとても軽くて、それでいてデザートを食べたって気にさせてくれる。このモカの浮き島のフワフワ感が、ここのデザートに対する主張を物語っているかのようだった。

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Mocha Floating Island with Lemon Scented Anglaise

 最後の最後にはチョコレートのトリュフ。しっとりとしていて高級感溢れるトリュフはとても美味しかった!

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Petit Four

 Tetsuya'sでのディナー。期待に応えて、そして予想をはるかに上回る結果だった。まさに「さすが」っていう言葉がピッタリな感じ。どの料理も本当に面白い組み合わせで、とても手が込んだものばかりだった。こんな素晴らしい料理に不満を言うのはなんなんだけど、「すごい!」とか「これはユニーク」とか思う料理はたくさんあったけど、ホッとして感動できる料理ってあったかな? 日本料理をルーツにしてるんだから、心を落ち着けてくれるような、思わず微笑がこぼれてしまうような、そんな料理があったらもっと良かったと思う。だからといってこのシェフの素晴らしいアートを批判してるわけじゃない。誰も考えつかないような材料の組み合わせ。本当に試行錯誤の繰り返しだったと思う。その想像力と努力には頭が下がる思いだ。料理の質、サービス、店の雰囲気、どれをとっても超一流。今度また行けるのはいつになることだろう?
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by seafoodie | 2003-02-27 00:00 | オセアニア
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