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シアトル近辺の美味しいレストラン食べ歩き
by seafoodie
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シアトル在住のAlexです。美味しいものが大好きなので、レストラン訪問記をまとめてみました。

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Ritz-Carlton Dining Room (リッツ・カールトン・ダイニング・ルーム)
Ritz-Carlton Dining Room (リッツ・カールトン・ダイニング・ルーム)_b0198361_0235354.jpg

★★★★
Ritz-Carlton Dining Room
600 Stockton Street
San Francisco, CA 94108
415-296-7465

  サンフランシスコは僕のお気に入りの街の一つ。観光でもとても有名だけど、忘れてはならないのはレストランの水準の高さ。サンフランシスコに行く度に、美味しいと言われているレストランを訪れるようにしてるんだけど、その度に目ウロコ的な体験をさせてくれるレストラン達。今回も例外ではなかった。

 サンフランシスコは以前からZagat Surveyなんかでチェックは入れてたんだけど、恥ずかしながら今回行ったRitz-Carlton Dining Roomは目に入ってなかった。ところがいきなり28点(Zagat Surveyは30点満点)のレストランの中にその名前が出てきたので驚いて、今回ぜひとも行ってみようということになったのである。Ritz-Carltonといえば、世界各地で有名な超高級ホテル。もちろん泊まったことはないんだけど、そんな高級なホテルのレストランがダメなはずはないってことで期待していた。

 ホテルもキレイだけど、このDining Roomも本当にトラディショナルで落ち着いていて、とてもいい雰囲気。人によってはちょっと緊張するかもしれないけど、シャンペンとウェイトスタッフの笑顔があれば、その緊張もすぐに解けることだと思う。

 まず席についてすぐにEd Harris似のウェイトパーソンが4種類のスパークリングワインの入ったカートを押してきた。「お食事の前にスパークリングワインはいかがでしょうか?」と一つ一つのスパークリングワインを丁寧に説明してくれる。フランスのちゃんとしたシャンペンもあったけど、せっかくカリフォルニアに居るんだからということで、ナパバレーでも僕の大好きな地域Carnerosで作られた95年モノのスパークリングワインを頼んでみる。とてもすっきりした味わいで、でもHerbfarmで出されたオレゴン州のArgyle Brutのようなキツさはなく、とてもフルーティーな香りと味わいでアペリティフにピッタリ。スパークリングワインを飲みながら、メニューの説明を聞く。

 メニューには左側には"Tasting Menu"と呼ばれる6コースのメニュー($85。それぞれのコースに合わせたワインを付けると$133)。右側にはアピタイザーや魚、肉の料理の名前が書いてあって、そこから好きなものを選んでコースメニューとすることができる。3コース$65、4コース$73、5コース$79。その他に"Chef's Grande Degustation"という8コースのビックリコースがあって、これは何が出てくるかわからない、いわばお任せコース。このコースは$100。シェフの最高の腕が見たいと思ったら、やっぱりDegustationが一番いいコースかもしれない、ということでこのコースに、"Tasting Menu"にあるように皿に合わせたワインをつけてほしいとお願いしてしまった。後で明細を見るまでワインの値段がわからなかったからちょっとドキドキしたけど、最終的にワイン込みで$158だった。

 8コースの中に数えないいわば無料サービスのコース、アミューズが運ばれてきた。ロブスターのサラダの横に、ちょっとだけキャビアが添えられている。ロブスターのサラダは、あまり手を加えすぎない、いわば正統派のロブスターサラダといった感じ。ドレッシングは出しゃばりすぎずにロブスターの身の甘味を増幅してくれる。キャビアも美味しかったけど、粒の大きさからしてBelugaじゃないっぽい。まぁアミューズであんまり高級なキャビアは出さないかも。たぶんSevrugaか、Herbfarmでもよく使うヘラチョウザメのキャビアかもしれない。どっちにしてもとても美味しかったけどね。ロブスターのサラダはスパークリングワインとOKだったけど、さすがにキャビアはちと合いません。

Ritz-Carlton Dining Room (リッツ・カールトン・ダイニング・ルーム)_b0198361_0235470.jpg
ロブスターのサラダとキャビア

  お次のコースはトマト尽くしといった感じ。皿には4種類のトマトを使った料理が並べてあって、それとは別にトマトのシャーベットまで付いてきた(写真では青いグラスの手前に写ってるヤツ…ウェイトパーソンは「(アイスクリームで有名な)Ben&Jerryにもこんなシャーベットはありませんよ」と冗談も含めて紹介してくれた)。あまりにも美味しそうだったので、写真を撮るのも忘れて右下のトマトを突き崩しちゃいました…。一つ一つどれがどういう料理か説明してくれたけど、今となってはうろ覚え。今度行くときにはレコーダーでも持っていかないとダメだな。ウェイトパーソンが言うには、右上の緑っぽいヤツは甘いから、4種類の中でも一番最後に食べるのがいいかもしれませんよとアドバイスしてくれた。確かにそいつは甘かった。トマトが本当はフルーツだってのを再確認させてくれたみたい。砂糖の甘さっていうよりも、本当にフルーツっぽい味なんだよね。5種類とも、本当に一つ一つ個性的で、トマトの違う顔をアップにして映し出してくれた感じで、本当に感動的な体験だった。

 またこれと一緒に来たワインが美味しかったんだ。 2001 Seresin Estate Sauvignon Blanc。ちょっと若作りのHugh Jackmanといった感じの(なんかこんなんばっかし(笑))ソムリエが、「これは印象深いワインですから後々まで覚えてることと思いますよ」と自信たっぷりに注いでくれたこのワイン。マスカットと花の香りを混ぜたようなアロマから始まって、舌先にピリッとくるような発泡性の味、ブドウの香りを凝縮したような後味と、本当に僕の好きなワインの性格を全部集めたかのようなワインだった。本当に少しだけ甘味もあるんだけど、これがトマトの甘味と喧嘩せずにお互いを引き立て合ってた感じで、感動の嵐。思わずウェイトパーソンが来たときに、今日出るワインを全部メモしておいてくれない?って頼んでしまった。本当に快く笑顔で引き受けてくれるところあたり、やはりさすがだと思ってしまう。

Ritz-Carlton Dining Room (リッツ・カールトン・ダイニング・ルーム)_b0198361_0235410.jpg
トマト料理5種

 お次のコースはパスタのトリュフ添え。シアトルのダウンタウンで僕が一番好きなレストラン Lampreiaで、パスタと白トリュフのコースを食べて以来、僕はパスタとトリュフの組み合わせが大好物。このコースもその期待を裏切らない、素晴らしいものだった。パスタはシコシコ、ソースはパスタの味を強調するのにピッタリの薄味、それにトリュフの素晴らしい香りが合わさって、もうなんとも言えない快感を口の中に作ってくれる。このコースについてきたワインは2000 Tablas Creek Clos Blanc。前のコースのワインよりももっと抑えた味わいで、ワインだけ飲むと腰が弱いなって思っちゃうかもしれないけど、パスタを食べた後に一口飲むと、このワインのちょっとしたバターのような風味がこのパスタの味わいを何倍にも高めてくれる。やっぱり料理とワインってのはこうでなきゃいけないよねっていうような、理想的な組み合わせを目の当たりにした気がした。この料理とワインだけでお腹一杯にしちゃいたい感じだった(笑)。

Ritz-Carlton Dining Room (リッツ・カールトン・ダイニング・ルーム)_b0198361_0235478.jpg
パスタ、トリュフ風味

 次は魚のコース。Sea Bassっていう魚の白身肉とアーティチョークの組み合わせ。魚の向こうに見える茶色のヤツがローストしたアーティチョーク、白身魚にかかってるのが、薄く薄く切ったアーティチョーク、写真では判りづらいけど、左下にあるのがアーティチョークのピュレというかムースみたいなヤツ。後でわかったんだけど、アーティチョークって北カリフォルニアの名産らしいね。こんな風に地元の材料を使ってくれるって、旅行者にとっては嬉しい限り。Sea Bassは身が締まってるんだけど、ソースやアーティチョークと一緒に食べると、本当に味わい深くて嬉しくなってしまう。一緒に来た2000 Vourray, Le Mont Sec Loireというワインは、正統派、魚のための白ワインといった感じ。すっきりさっぱりした飲みごたえで、ちょっとした酸味がこの白身魚とソースによく合っていた。それにしてもこんなに違う形のアーティチョークを食べるのは初めて。ウェイトパーソンの説明を所々聞き逃していたので、最初このムースのようなものは豆のピュレかと思ったんだけど、もう一度聞きなおしてみてビックリ。ピザに乗ってるアーティチョークとかってあまり好きじゃなかったんだけど、この料理でその底力を見せ付けられました。それにしてもアーティチョーク尽くしってのは、腕に自信がないとできない演出だよね。

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Sea Bassのアーティチョーク尽くし

 次のコースはサーモン。皿が出てくる前に1999 Merry Edwards Pinot Noirのワインが注がれたんで、一緒に行った友達(「四銃士」友達の一人で、シアトルからサンフランシスコに引っ越してしまったEd)は「あー、赤ワインだからやっと肉料理だね」って言ってたんだけど、一口ワインを飲んでみてどうも肉料理にしては弱いワインのような気がしたから、「たぶん味の強い魚だと思う、例えばサーモンとか…」って言ってた後に本当にサーモンが運ばれてきたもんだから笑ってしまった。このサーモンの下に敷いてあるのはトマトみたいな感じなんだけど、食べてみると実はベルペッパーだった。その上にサーモンが置いてあって、まるでアイロンでもかけたような皮が皿にアクセントをつけている。ソースにはバルサミコ酢が使ってあるみたいで、シアトルでは味わったことのないサーモンを体験できた。サーモン自体は、Herbfarmで食べたみたいな低温で長時間調理する方法には敵わない感じだったけどね。それでもこのとてもフルーティーなPinot Noirと一緒に、バルサミコ酢の風味のする一風変わったサーモンを心から楽しめた。ここのレストランのソムリエ、本当にスゴイ。これだけ料理にピッタリ合ったワインを出せるところってあまりないと思う。

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サーモン

  肉のコースの最初はウサギの足のロブスター添え。ウサギの皮はパリッと香ばしく焼いてあって、このソースとの相乗効果で、なんとなく焼き鳥の香ばしさのような匂いが漂ってくる。ロブスターの肉もすぐ皮から外れるようにしてあって、面倒な食べ方の嫌いな僕にピッタリ。ウサギの肉って日本じゃあまり(っていうか全然?)食べないけど、鳥のように軽くて、でも赤身肉の味わいも持ったもので、僕は結構好き。このソースがちょっとだけ醤油を思い出させるような味で、ウサギ肉と一緒に食べると泣かせてくれる。面白いことに、このソース、ロブスターにも本当にピッタリなんだよね。よく考えてあるよなぁ。一本だけ色を出すために添えられたようなアスパラガスも、本当に味が濃くてもう最高。

 ワインは1996 Cote Rotie Robert Jasmin Rhone。僕の大好きなSyrahベースのワインで、どことなくコショウのような味わいがある。でも普通のSyrahほど重いということはないので、ウサギ肉の微妙な味わいとワインのスパイシーさのコンビネーションを楽しめた。

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ウサギの足肉、ロブスター添え

 肉コース第二弾。一応これがメインになるのかな、運ばれてきたのはRack of Lambというコロラドの子羊の肉。普通Rack of Lambというと骨付きの肉なんだけど、ここでは食べやすいように、肉と骨は切り離されている。骨の周りの肉が好きな人にってことで、骨の肉の上にはソースを煮詰めてカラメル状になったものが塗られている。一緒に添えられているのはポテトで作られたパスタといった感じの、「パリジャンヌ風」ニョッキ。普通ニョッキと言えばもっと小さくて一口サイズのものが普通なので、この皿は何から何まで驚きで溢れている。まずは問題の肉。口に入れると、子羊の繊細な風味が重過ぎることのないソースで強調されて、涙が出るほど嬉しくなってしまう。マトンのような嫌な匂いは髪の毛一筋ほどもない。若々しい子羊の美味しさの粋を集めたような味。折角だから骨の周りについた肉も歯でこそげとって食べてしまう。んーカラメル状になったソースが、メインの肉とはまた違った味わいを出していて、二つのまるで違う料理を食べているよう。一風変わったニョッキもこの付け合わせとしては本当にピッタリだった。これについてきたワインは1997 Reserve Shiraz, Geoff Merril Mclaren Vale, Australia。直前のワインと同じSyrah(Shiraz)系のワインなんだけど、性格は全く異なっていて、もうちょっと深みのある味わい。コショウっぽいスパイシーさも、さっきのワインよりはもうちょっとだけ強い。だから繊細だけど、ウサギ肉よりは性格の強い子羊の肉によく合うんだよね。もうここのソムリエにはホトホト感心してしまう。

Ritz-Carlton Dining Room (リッツ・カールトン・ダイニング・ルーム)_b0198361_0235253.jpg
子羊とニョッキ

 さあ、もうだいぶお腹が一杯になってきた頃に、やっとデザートのお出まし。ここのレストランは本格的なフランス料理だと思ってたんで、サラダが出なくてちょっとビックリ。あ、でも最初のトマトのコースがサラダ的位置づけだったのかな。出てきたデザートは、ココナッツミルクの中にタピオカとざくろの実が入ったスープの中に、プディングが置いてある。タピオカは大好物だし、ココナッツミルクといってもそんなに重いものじゃなかったので、とてもスッキリとした味わいだった。個人的に、肉料理の後には重いデザートは食べたくない方なので、こういうさっぱりとしたデザートは大歓迎だった。

 最後のワインコースは1996 Domaine De La Roctorie Banyuls。ポートワインのようなこの赤い液体宝石は、デザートと一緒に今日の大晩餐会を締めくくるのにピッタリ。

Ritz-Carlton Dining Room (リッツ・カールトン・ダイニング・ルーム)_b0198361_0235155.jpg
タピオカとココナッツのプディング

 これで終わりかと思いきや、デザートプレートの中から好きなものをまた選べるようなコースが残っていた。僕はウェイトパーソンおすすめの、このデザート。名前は聞き取れなかったんだけど、一番下にウェハーみたいなのがあって、一番上にはチョコレート。横には薄いチョコレートを貼り付けてあって、一段とデカダンな雰囲気を醸しだしてる。でもこれもあまり重くないんだよね。ウェハーがシャリッとしてて、それにチョコレートの味わいが加わってもう最高。こういうケーキだったら毎日でも食べたい(笑)。

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チョコレートを纏った(笑)ケーキ

 最後は銀のプレートに並べられた、小さなお菓子の盛り合わせ。Herbfarmでもこういうの出たよね。一つ一つ可愛らしくて、食べてしまうのがもったいない感じだった。

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小さなお菓子の盛り合わせ

 最初から最後まで、約3時間半の大ご馳走。途中からハープの生演奏も始まって、まさに天国にいるような気になった、このRitz-Carlton Dining Room。最初から最後までやさしい笑顔を振りまきつづけていたEd Harris似(笑)のウェイトパーソン、一つ一つのワインを懇切丁寧に説明してくれたソムリエ。ここまで素晴らしい、でも肩がこらないサービスって、もしかすると僕にとって初めてだったんじゃないかな。変に思われるかもしれないけど、食事の後は、なんだか自分がスターになったかのような気がしてしまった。普通の人でもそれくらい丁寧に扱ってくれるここのサービス、まさに脱帽という以外ない。確かに値段はとてつもなく高いけど、これほど素晴らしい料理とサービスを体験できるならば、これだけ払っても惜しくはないかもしれないと本気で思ってしまうほど。

 サンフランシスコでのお気に入りの店がまた一つ増えてしまった。困ったなぁ…。
by seafoodie | 2002-10-19 00:01 | 北アメリカ(シアトル以外)
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